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NumPyによる配列の作成

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はじめに

NumPyを使って基本的な配列や線形代数学でよく使われる配列を生成する。

環境

ソフトウェア バージョン
NumPy 1.19

基本的な配列の作成

NumPyは、ベクトルや行列の計算を効率良く行うためのモジュールである。
初めに、以下のコマンドを入力してNumPyを取り込む。
as以下に npと入力すると、NumPyをnpと短縮して呼び出せる。

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>>> import numpy as np

配列の中身を自分で指定して作成する場合、 np.array()メソッドを用いる。
np.array()は、引数にPythonのリストをとる。
リストを重ねる(ネストする)ことで、2次元や3次元の配列を作成できる。

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>>> a = np.array([1,2,3])                       # 1次元配列
>>> a
array([1, 2, 3])
>>> b = np.array([[1,2,3],[4,5,6]])             # 2次元配列
>>> b
array([[1, 2, 3],
       [4, 5, 6]]) 
>>> c = np.array([[[1,2],[3,4]],[[5,6],[7,8]]]) # 3次元配列
>>> c
array([[[1, 2],
        [3, 4]],

       [[5, 6],
        [7, 8]]])

線形代数学でよく使われる配列の生成

全要素が0の配列

全要素が0の配列を作成する場合、np.zeros()メソッドや np.zeros_like()メソッドを用いる。
np.zeros()メソッドの場合、引数に整数をとると、 その整数の数だけ0要素を持つ1次元の配列が作られる。 また、引数に整数のリストをとると、2次元以上の0配列が作られる。
一方、np.zeros_like()メソッドの場合、 引数に他のNumPy配列をとり、その配列と同じ形の0配列が作られる。

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>>> np.zeros(3)           # 1次元の配列
array([ 0.,  0.,  0.])
>>> np.zeros([2,3])       # 2次元の配列
array([[ 0.,  0.,  0.],
       [ 0.,  0.,  0.]])
>>> b = np.array([[1, 2, 3],
...               [4, 5, 6]])
>>> np.zeros_like(b)      # 他の配列と同じサイズの配列
array([[0, 0, 0],
       [0, 0, 0]])

全要素が1の配列

全要素が1の配列を作成する場合、np.ones()メソッドや np.ones_like()メソッドを用いる。
配列の作成方法は、それぞれnp.zeros(), np.zeros_like()メソッドに同じ。

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>>> np.ones(3)           # 1次元の配列
array([ 1.,  1.,  1.])
>>> np.ones([2,3])       # 2次元の配列
array([[ 1.,  1.,  1.],
       [ 1.,  1.,  1.]])
>>> b = np.array([[1, 2, 3],
...               [4, 5, 6]])
>>> np.ones_like(b)      # 他の配列と同じサイズの配列
array([[1, 1, 1],
       [1, 1, 1]])

全要素が同じ値の配列

全要素が同じ値の配列を作成する場合、np.full()メソッドや np.full_like()メソッドを用いる。
np.full()メソッドは引数を2つとり、 第1引数で配列の形を、第2引数で配列の値を指定する。 2次元以上の配列を作成したい場合、第1引数がリストにする。
また、np.full_like()メソッドは、 第1引数に他のNumPy配列、第2引数に値をとる。 第1引数の配列と同じ形かつ、全要素が第2引数と同じ値の配列が作成される。

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>>> np.full(3, 10)       # 1次元の配列
array([10, 10, 10])
>>> np.full([2,2], 10)   # 2次元の配列
array([[ 10.,  10.],
       [ 10.,  10.]])
>>> b = np.array([[1, 2, 3],
...               [4, 5, 6]])
>>> np.full_like(b, 10)  # 他の配列と同じサイズの配列
array([[10, 10, 10],
       [10, 10, 10]])

単位行列など

単位行列を作成する場合、np.identity()メソッドまたは np.eye()メソッドを用いる。
np.identity()メソッドの場合、 引数として与えた整数の大きさの単位行列が作成される。
また、np.eye()メソッドの場合、 引数に整数を1つだけ与えると、np.identity()と同様に単位行列が作成される。 一方、引数をnp.eye(n, m)のように2つ与えると、主対角成分が1のn×m行列が作成される。 さらに、引数kで値が1となる対角を指定できる。

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>>> np.identity(3)        # 単位行列
array([[ 1.,  0.,  0.],
       [ 0.,  1.,  0.],
       [ 0.,  0.,  1.]])
>>> np.eye(3)             # 単位行列(引数が1個の場合)
array([[ 1.,  0.,  0.],
       [ 0.,  1.,  0.],
       [ 0.,  0.,  1.]])
>>> np.eye(2, 3)          # 主対角が1, それ以外が0の3x2行列
array([[ 1.,  0.,  0.],
       [ 0.,  1.,  0.]])
>>>
>>> 1となる対角をkで指定k>0は主対角より上、k<0は主対角より下)
>>> np.eye(4, 5, k=1)  
array([[ 0.,  1.,  0.,  0.,  0.],
       [ 0.,  0.,  1.,  0.,  0.],
       [ 0.,  0.,  0.,  1.,  0.],
       [ 0.,  0.,  0.,  0.,  1.]])

三角行列など

三角行列は、主対角より「上」または「下」の成分が全て0である正方行列である。
np.tri()メソッドを用いると、下三角行列を作成できる。 引数に整数を1つ与えると、その整数の大きさの正方行列になる。 引数にnp.tri(n, m)のように整数を2つ与えると、 主対角より上が0となるn×m行列が作成される。 また、引数kでどの対角から上が0となるか指定できる。

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>>> np.tri(3)
array([[ 1.,  0.,  0.],
       [ 1.,  1.,  0.],
       [ 1.,  1.,  1.]])
>>> np.tri(3,5)
array([[ 1.,  0.,  0.,  0.,  0.],
       [ 1.,  1.,  0.,  0.,  0.],
       [ 1.,  1.,  1.,  0.,  0.]])
>>> np.tri(3,5,k=-1)  # k>0は主対角より上の対角、k<0は主対角より下の対角
array([[ 0.,  0.,  0.,  0.,  0.],
       [ 1.,  0.,  0.,  0.,  0.],
       [ 1.,  1.,  0.,  0.,  0.]])

また、他の配列に対して、三角部分の要素を0とした配列を得るためには、 np.tril()メソッドまたは np.triu()メソッドを用いる。 それぞれ、引数にとった行列の上三角部分と下三角部分を0とした行列を返す。 また、引数kで0とする対角を指定できる。

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>>> b = np.array([[1,2,3],[4,5,6]])
>>> b
array([[1, 2, 3],
       [4, 5, 6]])
>>> np.tril(b)        # 行列の下三角部分
array([[1, 0, 0],
       [4, 5, 0]])
>>> np.tril(b, k=-1)  # kで0とする対角を指定(デフォルトはk=0: 主対角)
array([[0, 0, 0],
       [4, 0, 0]])
>>> np.triu(b)        # 行列の上三角部分
array([[1, 2, 3],
       [0, 5, 6]])

その他の特殊な配列の作成

線形に等間隔な1次元配列

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>>> np.arange(1,10)    # 区間[1, 10)の整数
array([1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9])
>>> np.arange(1,10,2)  # 区間[1, 10)の整数を2刻みで
array([1, 3, 5, 7, 9])
>>> np.linspace(2,3,5) # 線形に等間隔な区間[2, 3]の数を5個
array([ 2.  ,  2.25,  2.5 ,  2.75,  3.  ])

対数的に等間隔な1次元配列

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>>> np.logspace(1, 2, 5) # 10^1から10^2まで対数的に等間隔な5個の配列
array([ 10.        ,  17.7827941 ,  31.6227766 ,  56.23413252,
       100.        ])
>>> np.logspace(1, 5, 5, base=2) # baseで対数の底を指定
array([ 2.,  4.,  8., 16., 32.])

ランダムな要素を持つ配列

numpy.randomモジュールを使用する。

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>>> np.random.seed(0)
>>> # シード値(非負の整数)を設定すると、常に一定順序で乱数列が発生
>>> np.random.rand(2,3)      # 区間[0, 1)で一様分布
array([[0.5488135 , 0.71518937, 0.60276338],
       [0.54488318, 0.4236548 , 0.64589411]])
>>> np.random.randn(2, 3)    # 正規分布(平均0, 分散1)
array([[ 0.95008842, -0.15135721, -0.10321885],
       [ 0.4105985 ,  0.14404357,  1.45427351]])
>>> np.random.randint(10)    # 区間[0, 10)で均等分布の整数(引数1つの場合)
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>>> np.random.randint(5, 10) # 区間[5, 10)で均等分布の整数(引数2つの場合)
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>>> np.random.randint(5, 10, size=(2, 4)) # sizeオプションで配列サイズを指定
array([[6, 5, 6, 9],
       [8, 5, 8, 5]])

参考リンク

Array creation — NumPy v1.19 Manual
Random sampling (numpy.random) — NumPy v1.19 Manual

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Helve
WRITTEN BY
Helve
関西在住、電機メーカ勤務のエンジニア。X(旧Twitter)で新着記事を配信中です

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