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可視化ツールDashで作成したWebアプリをHerokuで公開する

 ·   7 min read

※記事内に商品プロモーションを含むことがあります。

はじめに

Dashはインタラクティブなグラフを表示できる、PythonのWebアプリケーションフレームワークである。flaskをバックエンドに使用している。

本記事では、Dashで作成したWebアプリケーションをHeroku上で公開する手順を簡単にまとめた。大きく分けて、以下の手順で行う。

  1. ローカルでDashを使ったWebアプリを作成する
  2. WebアプリをHerokuにアップロードする

バージョンは以下の通り。

バージョン
Python 3.7.4
NumPy 1.16.5
Pandas 0.25.1
Dash 1.16.3
plotly 4.11.0
Git 2.27.0.windows.1

開発環境はWindows 10 Homeである。また、未検証だがLinuxでも動作するはずである。

PythonAnywhere上で公開する記事についてはこちら。
可視化ツールDashで作成したWebアプリをPythonAnywhere上で公開する - Helve Tech Blog

Dashを使ったWebアプリの作成

Gitのインストール

Heroku上でWebアプリを公開するためには、Gitを使用してソースコードをherokuサーバにアップロードする必要があるため、以下のページからGitをインストールする。ただし、Githubなどを利用する必要はなく、ローカルリポジトリを作るだけでよい。
Git

Dashのソースコード作成

Dashの公式サイトのサンプルコードを少し改変した、以下のソースコードにindex.pyと名前を付けて保存する。
Part 2. Layout | Dash for Python Documentation | Plotly

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import dash
import dash_core_components as dcc
import dash_html_components as html
import plotly.express as px
import pandas as pd

external_stylesheets = ['https://codepen.io/chriddyp/pen/bWLwgP.css']

app = dash.Dash(__name__, external_stylesheets=external_stylesheets)
server = app.server

df = pd.DataFrame({
    "Fruit": ["Apples", "Oranges", "Bananas", "Apples", "Oranges", "Bananas"],
    "Amount": [4, 1, 2, 2, 4, 5],
    "City": ["SF", "SF", "SF", "Montreal", "Montreal", "Montreal"]
})

fig = px.bar(df, x="Fruit", y="Amount", color="City", barmode="group")

app.layout = html.Div(children=[
    html.H1(children='Hello Dash'),

    html.Div(children='''
        Dash: A web application framework for Python.
    '''),

    dcc.Graph(
        id='example-graph',
        figure=fig
    )
])

if __name__ == '__main__':
    app.run_server()

改変個所は以下の2点である。

  • server = app.server
  • app.run_server()

Dashアプリをローカルで起動

コンソールを立ち上げ、以下を実行してローカルでWebアプリを立ち上げる。

> cd (index.pyのあるフォルダ)
> python index.py
Dash is running on http://127.0.0.1:8050/

 * Serving Flask app "index" (lazy loading)
 * Environment: production
   WARNING: This is a development server. Do not use it in a production deployment.
   Use a production WSGI server instead.
 * Debug mode: off
 * Running on http://127.0.0.1:8050/ (Press CTRL+C to quit)

次に、Webブラウザを起動し、http://127.0.0.1:8050/を開いて、以下のような画面が表示されることを確認する。

dash-sample

アプリを停止するには、コンソール上でCtrl+Cを押す。

Heroku用のファイルの準備

Heroku用に以下のテキスト形式のファイルを作成する。

  • Procfile
  • Procfile.windows (開発環境がWindowsの場合のみ)
  • requirements.txt
  • runtime.txt

各ファイルの内容は以下の通り。

Procfile

Heroku上でWebアプリを起動するためのコマンドを定義したファイル

web: gunicorn index:server
Procfile.windows

開発環境がWindowsの場合に、Herokuを使ってローカルでWebアプリを起動するためのコマンドを定義したファイル。

web: python index.py runserver 0.0.0.0:5000
requirements.txt

Webアプリの実行に必要なライブラリを定義したファイル。上記のサンプルコードで必要なライブラリは以下の通り。

dash
dash_core_components
dash_html_components
plotly
pandas
numpy
gunicorn
runtime.txt

実行するPythonのバージョンを定義する。

python-3.7.8

Gitリポジトリの作成

次に、Gitリポジトリを作成し、ファイルをコミットする。

> git init
> git add .
> git commit -m "Make dash app for Heroku"

Herokuでの公開

Herokuに登録し、heroku toolbeltというソフトウェアをインストールする。詳細は以下のページを参照。
herokuを使ってWebアプリケーションを公開しよう

インストールが完了したら、ターミナルからheroku toolbeltを呼び出せるようになっている。ターミナルを起動し、以下を入力する。

> heroku login
heroku: Press any key to open up the browser to login or q to exit:

適当なキーを押すと、Heroku用のログイン用Webページに接続されるので"Log In"を押す(環境によってはWebページに接続されないようなので、その場合はHerokuに登録したメールアドレスとパスワードを入力する)。

次に、以下を実行してHeroku用アプリケーションを作成する。

> heroku create <application-name>

<application-name>は公開時のURLに反映される。以下のようにアプリケーション名は省略可能だが、その場合はランダムな名前が付けられる。

> heroku create 

以上でHerokuアプリケーションが作成された。

ここで、Herokuにファイルをアップロードする前に、ローカルで実行できることを確認する。
Windowsの場合は以下を実行する。

> heroku local web -f Procfile.windows

Linuxの場合は以下。

$ heroku local web

実行すると以下が表示されるので、表示されたURL(ここではhttp://127.0.0.1:5000/)をブラウザで開く。先ほどの画面が表示されれば成功である。

17:34:24 web.1   |  Dash is running on http://127.0.0.1:5000/
17:34:24 web.1   |   * Running on http://127.0.0.1:5000/ (Press CTRL+C to quit)
17:34:24 web.1   |   * Serving Flask app "index" (lazy loading)
17:34:24 web.1   |   * Environment: production
17:34:24 web.1   |     WARNING: This is a development server. Do not use it in a production deployment.
17:34:24 web.1   |     Use a production WSGI server instead.
17:34:24 web.1   |   * Debug mode: off
17:34:46 web.1   |  127.0.0.1 - - [11/Oct/2020 17:34:46] "GET / HTTP/1.1" 200 -
17:34:48 web.1   |  127.0.0.1 - - [11/Oct/2020 17:34:48] "GET /_dash-layout HTTP/1.1" 200 -
17:34:48 web.1   |  127.0.0.1 - - [11/Oct/2020 17:34:48] "GET /_dash-dependencies HTTP/1.1" 200 -
17:34:48 web.1   |  127.0.0.1 - - [11/Oct/2020 17:34:48] "GET /_favicon.ico?v=1.16.3 HTTP/1.1" 200 -

最後に、以下を実行してHerokuサーバにGitリポジトリのファイルをアップロードする(少し時間が掛かる)。

> git push heroku master

処理の完了後、以下を実行すると公開されたWebアプリがブラウザで開かれる。先ほどの画面が表示されれば成功である。

> heroku open

参考

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Helve
WRITTEN BY
Helve
関西在住、電機メーカ勤務のエンジニア。X(旧Twitter)で新着記事を配信中です

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